NEXT STEP
健一はそのまま歩いて行ってしまった。



健一の背中は小さく見えた。



ごめんね…。




そのとき、地面に着地する、トンという音がした。




振り向くと、上矢くんが私を見下ろしていた。




私は慌てて目を逸らす。




聞かれちゃったよね…。




「梨音、どういうこと?付き合ってたの?」



「…うん。大学の頃…。」




「…。」




上矢くんは私を見ているのが横目でわかる。




「梨音。どうして‥。」



前に聞かれたとき言わなかったかってことだよね‥。




「上矢くん…。」



上矢くんには知られたくなかった。



健一と付き合ってたこと…。

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