NEXT STEP
「梨音は誰にでも優しいから。そりゃ疲れるときもあるよな。」




「っ‥え?」



「最近上矢がやる気なくてさ。インハイも近いのに。授業中も机に伏せてるし。梨音のことだから、担任の私の責任。とか考えてるんだろ?」





強ち間違いではない。




どうして日向先生は私のことなんでもわかっちゃうんだろう。




ただ私が日向先生のことを知ろうとしてないからかもしれない。




私は上矢くんのことばかり考えてるから…。





「梨音、君の優しさはときに人を傷つけるよ‥。」



「えっ…!」



衝撃的だった。



私は日向先生を見つめた。




日向先生は景色を眺めて微笑んだ。




日向先生は気づいているのかもしれない。




私の本音に…。
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