光の姫とゆかいな仲間たち
シトシト シトシト


外では雨が降り続く。


「はぁ。明日も雨がふるんですか」


僕は窓から手を出して風を感じとる。


風の温かさや強さ、湿気で明日の天気がわかる。


「あれ? フウタ君。窓から手を出してどうしたの?」


そこにヒカリが近づいてきた。


「ヒカリ。どうしたのですか?」


「なんかフウタ君が憂鬱そうに窓から手を出してたからどうしたのかなって思ってさ」


僕が憂鬱にしてそうですか? なんでヒカリにはわかるんでしょうか。


「明日も雨が降るので嫌ですね」


「明日も雨降るんだね。こう毎日雨が降ると嫌だよ。それに洗濯物も乾かないしさ」


ヒカリは肩をすくめながらそう言った。


「確かに洗濯物が乾かないですね。僕の場合は温かい風で早く乾かしちゃうのでそんなに問題じゃないんですが」


「そんなこともできるの? フウタ君の能力って涼しいイメージがあった」



「風は色々な使い方がありますからね。あるときは冷暖房みたいに暖かい風や涼しい風が吹いたり、ある時には風の勢いで物を切ったり、あるときは風を読みとって次の日の天気がわかったりしますからね。最後は風使ってませんが。
僕は結構この能力が気に入ってます」



小さい頃には考えられなかった話ですよね。昔はなんでこの能力があるのだろうって思ってましたから。能力って使い方次第なのだとこの学校で学んだことです。



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