光の姫とゆかいな仲間たち
「雨を見て昔のことを思い出すとかじゃなくて？」


信じられないのかヒカリは尋ねた。


「？　昔の話はそんなに覚えてませんから」


言ってる意味がわからなくて唖然としてヒカリを見た。
そんなヒカリははぁ～と脱力感を露にした。


その態度は酷くないですか？　人がせっかく頑張ってカミングアウトしましたのに。


「なんだ。てっきりそういう類いのものだと思ってた。
でもライト君の雷は平気なの？」




「ライトさんのはそんな大きな音じゃないですから。
僕。人よりか耳が良いから余計に怖いんですよ。
今の天気ならいつ雷が落ちるか…『ゴロゴロ』ウキャー」



男として恥ずかしい声を出しながらヒカリの後ろへと隠れた。



「本当に苦手なんだね」



ヒカリは苦笑いでそう言うけど言い返すなんて出来ない僕は耳を塞ぐしか出来なかった。


もう一発雷の音が鳴って僕は涙目で叫ぶことになったのは言うまでもないだろう。







< 37 / 83 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop