片恋★パンドラボックス
確かに朝から調子は悪かった。頭が痛いなーとは思ってた。



でも気のせいだと信じて、リビングで残りの宿題を片付けてた時から記憶が曖昧。



「おとーさんと、おかーさん…は?」



「叔父さんち。」



「なんっ、で…?」



「あぁーもうっ!ひいじいサンの初盆だから今日は親戚一同叔父さんちに集まるって、前々からとーさん言ってただろ。俺もお前も行く予定だったけど急遽キャンセル!」



「あー…」



そうだったっけ…と思いながら記憶の糸を辿ろうとしても、頭がぐわんぐわんして働かない。



「ったく。こんな日に熱出しやがって…」



「ごめっ…」



「もういいから寝とけ!!」



「うぅー…。」



ピタッとオデコに冷却シートを貼られたあたしは、「ったく…。」と呆れるおにーちゃんから逃げるように布団を被ると、はぁー…っと大きなため息をついた。

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