片恋★パンドラボックス
「ごめん…なさっ…」



抱きしめられてるから逃げることも出来ない。



零れる涙も拭うことが出来ない。



ただただおにーちゃんの着てるTシャツを濡らしていく。



「ごめっ…」



「あぁーもう!……好き。」



「…へっ?」



でも少しの間の後、突然肩口に顔を埋めてきたおにーちゃんは、「なおぉー。…ゴメン。俺も好き。」と、相変わらずの情けない声で小さく囁いてきて。



「えっ……う、そっ…だぁぁー!!」



「うそじゃ…って、泣くなよ。」



「だってぇー!」



嬉しいのやら、ビックリしたのやら、気が抜けたのやら、いろいろな感情の波が一気に押し寄せてきて、ポロポロと止めどなく涙が溢れてきたあたしは、ギュッとおにーちゃんに抱きつくと声をあげて泣き続けた。

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