片恋★パンドラボックス
「奈緒。」



「……はい。」



目が合っては目を逸らす。少しだけ戸惑っては再びあたしを見つめるを繰り返す、おにーちゃん。



「奈緒。」



「…はい。」



ひとつ息をついた瞬間、急に抱きしめてくる腕の力が強くなった。



「奈緒。」



「はい。」



……来る!コクリと頷いたあたしは、おにーちゃんの目をただ真っ直ぐ見つめながらゴクッと息を飲んだ。

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