片恋★パンドラボックス
「なに?」



「出てみ。」



「へ?」



顎をしゃくる優斗からそれを受け取り、「もしもし?」と出てみれば、電話口からは世界で一番大好きな人の声。



『おいっ!そこに奈緒…』



「おにい…ちゃん?」



『あ?えっ?もしかして奈緒?』



「うん。」



頷いてみたけど頭の中はハテナマークでいっぱい。



『奈緒ー。お前、今どこに居んの?』



「どこって…優斗んち?」



『はぁ!?おまっ、なに男んちに上がり込んでんだよっ!!連れ込まれたのか!!』



「……んなわけないじゃん。」



「2人なんだろ!2人っきりなんだろっ!!……優斗コロス。」と電話越しに物騒なことを口走るおにーちゃんに呆れて何も言えない。



はぁー…とため息をついたあたしは、とりあえずケータイを持ち直すと、なにより今一番知りたいことを訊ねかけた。

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