片恋★パンドラボックス
「あの…」



「………」



「えっと…」



誰も居ない、シンと静まりかえった中庭。



ベンチに座るあたしの隣では、何かを考えるように目を伏せる優斗。



HRを告げるチャイムが鳴り響いて、早5分。



話しかけても、もちろん返事はなし。



自分から振った話題だけに、この沈黙は……ものすごく気まずい。



口元をヒクつかせたあたしは、隣の優斗をチラチラと見ながら、はぁ…と小さく溜め息をついた。

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