片恋★パンドラボックス
「時間…」



「時間?」



「早く、ない?」



「あぁ…」



すると、まだ明るい空をパッと見上げ、突然、ニヤリと悪戯な笑みを浮かべたおにーちゃんは、俯くあたしの頭をポンポンと撫でてきて。



「お前に会いたくて早く帰ってきた。」



「えっ!?」



「うーそ。今日はたまたま早くあがれたの。嬉しい?」



「なっ!?もうっ!!おにーちゃんのバカ!!」



瞬間、カッと赤くなったあたしは、お腹を抱えて笑うおにーちゃんの胸元をポカポカ叩いた。

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