melt away


「少し歩けますか?」


グッと彼の肩を担ぎ、ムリヤリ立たせる

ふらつきながらも彼は立ち上がる。


う…。

やっぱりこんな細身な彼でも男の子は大きいし重い…。


でも頑張らないと


「…しょ。よい、しょ。すぐ、つくから…」


彼を運びながら、ある物に気づく。


…あ、御守り。

彼を見つけた時に、手から転がってきた御守り。


きっと、大事なものなんだろう。


ゆっくり屈んでそれを広い、また立ち上がりゆっくり彼と家を目指した。














「あ、お母さん?」

『何?珍しいわねぇ』

「うん。こんな時間にごめんね」

『どうしたの?』

「…風邪ひいてる時って何がいいのかな…?」

『んー…。りんごのすりおろしは食べやすいかもねぇ。あとおかゆかしら。喉が痛いならネギ食べれば治るらしいわよ。』

「そっか。わかった。」

『なに?風邪ひいてるの?大丈夫なの?』

「あ、うん。ちょっと。でも大丈夫だから。微熱だし。ごめんね、ありがとう」

『あ、愛理、ちょっ』


最後までお母さんの話を聞かずに電話を切った。

だってなんか罪悪感が…。


ちらっとベッドで眠る彼の姿を見る


…やっぱり少しつらそう。


熱を計ったら思った以上に熱があった。


「よし。おかゆ、つくろ」
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