melt away


クスクス笑ういつもの修也がいる。


そっと体を離した。

修也は運転席に正常に座り、ハンドルを握る。

私はそのままの体制から戻せないまま、ただまばたきを繰り返す。


でも、少し体が軽くなった気がした。


「ごめん、あんまり反応が可愛らしいからからかっちゃった」


アクセルを踏み、動き出した車。

微笑みながら話す修也に私はついていけない。


「あー…。えと……」


ひとまず助手席に正常に座る。

そこは冷静なのかシートベルトを締めた。

さっきまでの熱はまだ覚めないまま。

バッグをひたすら握りしめる。


「……。」


車が信号で止まる。

近かった修也の残存が頭をちらつく。


本当に、キス、されるかと思った。



…私の、初めてのキス。





………多分したって後悔はなかったと思う自分に一番驚いてる。



ただ頭を整理しようと必死になった。



「……………愛理。」



そっと呟いて頭に手を伸ばした修也。



…ギュッと胸が苦しくなる。
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