melt away
外は真っ暗でただ月が光る。
そのまわりには小さな星がたくさん輝いて
…ああ、優奈も星になったんだろうか。
綺麗な綺麗な星に。
『死んだらさぁ、私空からずっと修也が浮気しないか見張ってるからね。』
『あはは、嘘。修也が幸せになるなら応援するよ』
『…んー…。でもちょっと妬いちゃうなあ。修也、モテるから』
笑った優奈を
その裏の泣きそうな優奈を
『怖くないわけじゃないよ。』
『…何で私なの…?』
『ずっと修也のそばにいたいのにな…。叶わないのかな…?』
忘れることはない気がする。
だって、涙さえ出ないのに。
「………ばっかじゃねーの。」
感傷に浸るなんて、自分らしくなくて気持ち悪い。
毎日通ってた公園だって、もう行かない。
優奈が居なきゃ。
優奈が居なきゃもう、行ったって意味がない。
優奈が元気になった時のことを想像して1人で行ったって辛かった。
願掛けのつもりでも怖かった。
消えてなくなりそうなんて、薄々気づいてたんだ
優奈の両親がいくら大丈夫って言ったって
医者が両親を連れて診察室に入って行くのを見たらそんなの信じらんないでしょ。
もうすぐ30の男が情けないけどさ、
好きだった。
優奈が、本当に好きだった。