melt away

「どんな人?公園の彼は。」

開いてる席に座り、いただきます。をした後、夏樹が聞いてきた。

ハンバーグを一口食べた後だったから急いで飲み込もうとする。


「愛理そんな急がなくていいよ。むせちゃう。」


クスクス笑う夏樹は私にとってお姉さんみたいな存在。

実の姉もいるんだけどお姉ちゃんは友達みたいな感覚だったから。

モグモグハンバーグを噛んで飲み込んだあと、口を開いた。


「どんな人?って…。んー。ゆるいパーマがかかってる。綺麗な茶髪でいっつもスーツきてる。」

「ふーん?顔は?身長は?」


お水を飲みながら夏樹が質問してくる。

…あ。

夏樹の薬指が光る。

七瀬さんと上手く行ってるのね。

七瀬さんと夏樹は1年前くらいから付き合ってる。

七瀬さんは、私たちの上司だけど気さくな人で女性社員からも人気がある人。


2人並んで歩いてるのを見たら悔しいくらいお似合いだ。



「………愛理?」

「…は。ごめん。ボーっとしちゃって」

「大丈夫?」


はは、と笑って私も水を飲む。

一人の男性を毎日観察してる私に比べたら、夏樹は幸せそうでいいなぁ。


「で?」

「…え?あぁ…顔は…良く見えないんだ。身長…は、高いのかな?基準がないからよく分からない。」

「へー。何でそんな人を愛理は気になるの?」


夏樹がサラダを口にしながら言う。

私もハンバーグを食べようとして、動作が止まる。

何で?

何でって…。


「分からない。から夏樹に相談してるんだよ」

「…とりあえずさ、接点がないことには何とも言えないよね。話し掛けてみたら?」
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