竜を狩る者
…騒々し過ぎる。

ノエルはそう感じた。

アシカ達はまるで何かを警告するかのように、或いは何かに脅えるように、しきりに鳴き声を上げる。

もしかしたら彼らは、何かから逃げているのではないか。

海の中で『何か』に追われ、逃れる為に陸に上がってきたのではないか。

ノエルが考えたその瞬間!

「っっっっっ!」

浅瀬の海面が大きく隆起し、水柱を上げた!

その白波の中から姿を現したのは、刺々しい鱗に全身を覆われた長大な蛇竜だった。

エラのような器官や魚の鰭のような部位など、海洋生物と共通するような部分もある反面、頭部には一対の角、背中にあたる部分には大きな揚力を生み出すであろう翼があるなど、竜種の特徴ともいえるパーツを持つ。

全長9メートルはあろうかという大蛇然とした姿。

これがクエレブレ。

大陸周辺海域の船を襲っては被害をもたらす海竜だった。

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