竜を狩る者
眠りを妨げる、しかも意表を突いた強烈な激痛!

クエレブレはすぐさま目を覚まし、痛みに嘶く!

深い海底に引きずり込まれた事で、既にノエルは死んでいると思っていたのか。

いきなり奇襲を仕掛けてきた彼女に、少なからず狼狽したような動きを見せた。

「はあああああっ!」

ノエルは自分の背丈よりも大きな大剣を振りかぶり、大振りの一撃をクエレブレに直撃させる!

その重量と大きさ故に連続攻撃には向かないものの、ノエルの片刃剣はトップクラスの破壊力を持つ。

その重さと切れ味は、堅牢な竜種の鱗を砕き、あまつさえ強靭な筋繊維までもを断ち切る。

まさに大型竜種討伐の為に鍛えられた武具であった。

「まだまだぁっ!」

ハンマー投げの要領で大剣を両手で持って振り回し、ノエルはクエレブレの横っ面に強打を打ち込む!

その威力に頭部を揺さぶられたのか。

クエレブレは僅かに昏倒したように見えた。

立て続けにもう一発!

更に踏み込むノエル。

しかし。

「きゃあっ!」

やられっ放しは竜種の沽券に関わる。

クエレブレは反撃の毒のブレスを吐き出した!

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