竜を狩る者
「くっ!」

クエレブレの毒のブレスはアンフィスバエナと並ぶほどの猛毒だ。

食らえば後遺症が残るほどの威力を持つ。

これを受ける訳にはいかない。

攻撃を一旦中断して、ノエルは回避行動に移る。

重装備を身につけているとは思えないほどの素早い動き。

だが攻撃は回避できても、音は回避しきれない。

「――――――――――――!!」

クエレブレは咆哮を上げた!

彼の咆哮は竜種の中でも特に強烈だ。

叫び声は遥か遠くまで響き渡る。

至近距離で聞かされれば、熟達した狩猟者でさえ竦み上がってしまうほどに。

ノエルも例に洩れず、一時的な行動不能に陥ってしまい。

「がはっ!」

その隙をクエレブレの強烈な尻尾の一撃で狙われた!

尻尾で叩きのめされた挙句、洞窟の岩壁と挟まれる!

如何に鎧を纏っていても、ダメージは免れない筈。

そう思っていたクエレブレは…。

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