竜を狩る者
次の瞬間、ギョッとした。

「痛いじゃないですかぁっ…こんな太い尻尾で殴りつけるなんて…!」

なんとノエルはクエレブレの尾の一撃を、大剣を盾にして受け止めていた。

刃幅も広く、頑強な大剣ならではの使用方法。

しかし特筆すべきは、竜種の尾の一撃を正面から食らっておきながら、受け止める事のできるノエルの腕力!

「お父さんが言ってました」

尾を押し退けながらノエルが言う。

「決して自分から暴力を振るってはならない。しかし不当な暴力を受けた時は、相応の痛みを以って相手にわからせてやるべきだと…」

巨大な片刃剣を片手でヒョイと持ち上げ、もう片方の手でクエレブレの尻尾を掴んだまま。

「悪いのはこの尻尾ですかっっ!」

ノエルはクエレブレの尻尾を両断する!

激痛に雄叫びを上げるクエレブレ!

長大な体をくねらせて、痛みにのた打ち回る。

「こんなものじゃ許さないです」

両手持ちで大剣を握るノエル。

「沢山の人達に迷惑をかけた貴方には」

鼻息も荒く、彼女は構えた。

「キッッッッツイお仕置きですっ」

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