【短編】ぼくはポチ
「……!!」


ミキちゃんの部屋から何か聞こえる。

あまりよく聞こえないから、

布団に潜り込んでいるのかな?

ミキちゃんは昔から虫の居所が悪いと

そうするんだ。


―…ピンポーン…


玄関のチャイムが鳴る。



―誰!?こんな朝早くから!!



ぼくはありったけの大きな声で言う。

これはぼくの本能なのだから

仕方がないんだ。

ママさんがミキちゃんの部屋から

バタバタと下りてくる。

そして、


「はーい」


と声をかけてドアを開ける。


「あら…」

「朝早くにすみません…」



―男…?



「こら、ポチ。吠えるの止めなさい」


ぼくはママさんに抱かれる。


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