夏の鈴
夏の日、思い出
次の日の朝、前日にセットしていた目覚ましが鳴る前に目を覚ました
時間は5時30分、こんなに早く起きたのは記憶にない程久しぶりだ
シャーッとカーテンを開けると、日の光はまだ弱くて暑さも和らいでいた
俺はとりあえず下の半ズボンだけ着替えて、一階に下りた
一階は二階よりも風通しが良くて、少し涼しく感じた
おふくろは起きてない時間なのに、なぜか台所から物音が…
台所に行くとあまり見慣れない台所に立つ親父の姿があった
『………親父?』
声を掛けると、動いていた手がピタリと止まった
『あつし起きたのか、おはよう』
そう言う親父の手にはおにぎりが握られていた
おふくろが作るより歪(いびつ)で少し大きいおにぎり
『俺はいつも帰って来てから朝ごはんを食べるんだけど、あつしは育ち盛りだから腹減るだろ?』
その言葉で、俺の為におにぎりを作ってくれてるんだと分かった
親父はいつだって優しくて、俺は後何回その優しさに触れる事が出来るんだろ?
今日は7月22日
運命のカウントダウンまで後5日