夏の鈴
夏の日 三人
7月25日の朝、親父が言っていた通り昨日の雨が嘘だったように晴れ渡っていた
息苦しい程、蒸し暑くて俺はベッドから体を起こした
カーテンを開けたくない位眩しくて、俺はいつもみたく一階に降りようとした時…
ウィィンと掃除機の音がした
掃除機なんてかける人はおふくろしか居ないけど、こんな朝っぱらから掃除機……?
『今日仕事じゃないの?』
丁度、廊下に居たおふくろと鉢合わせになった
『……え?何?』
掃除機の音のせいで、俺の声は見事にかき消された
俺は渋々台所に行き、冷たい麦茶を口に含んだ
俺の中ではいつも通りの1日の始まり方で、少し違う事と言えばこんな朝からおふくろが掃除機をかけている事
何となく違和感を感じて、台所の時計を見ると9時30分
思わず麦茶をこぼしそうになった
だって俺は勿論、ジョギングに行く為に5時30分に起きたつもりで……
急いで居間に行くと、親父が朝ご飯を食べていた
『お、あつし起きたのか』
別に寝坊を怒る訳でもなく、いつも通りの親父
『…ごめん、俺……』
すると親父はテーブルに置いてある味のりをご飯の上に乗せた
『昨日は久しぶりに寝やすい気温だったからな』
確かに雨のおかげで気温は下がり、寝苦しさはなかった
でもだからって…親父とのジョギングの時間を潰してしまった
残りのカウントダウンまで後、2日