笑顔の法則
「さっきはびっくりしたなぁ~、加納くんが『寺山さん』って言ってくれたし」
「だねぇ。加納緑が沙南の名前覚えてたってことにびっくり」
「あっ あかりひどーい!!……けど、あの加納くんが名前覚えてくれるなんて、脈アリかも!?」
「脈アリかどうかはおいといて、沙南マジだったの!?」
「ん~…微妙かなぁ?6組の栗栖くんもカッコイイしね」
「ミーハーな奴め」
沙南と いつものように話していたら、クラスの子達が寄ってきた。
「ねぇ、あかりちゃん達 さっき加納くんと話してたよね?」
「いーなぁ 何話してたの?」
驚いた。
本当に 人気だったんだ。
「えへへ~ いいでしょ」
沙南……栗栖くんはどうした…。
「あ、でも」
友達の1人が言った。
「そーいえば 加納くんって、前はもっと 明るい感じだったよね」
明るい加納緑。
うーん、想像できないな。
「ぷぷっ」
「あかり?」
『ヘイ ユー 元気かい?』と言う“明るい加納緑”を想像してわらってしまった。
「だって、明るいって。笑えちゃってさ」
私がそう言うと。
「なんか 彼女?が亡くなったらしいよ?」
「「えーっ!!」」
そっかぁ。
私と同じなんだね。
急に 加納緑に親近感を覚えた。
あの瞳にうつる影が見えた気がした。