笑顔の法則


「さっきはびっくりしたなぁ~、加納くんが『寺山さん』って言ってくれたし」

「だねぇ。加納緑が沙南の名前覚えてたってことにびっくり」

「あっ あかりひどーい!!……けど、あの加納くんが名前覚えてくれるなんて、脈アリかも!?」

「脈アリかどうかはおいといて、沙南マジだったの!?」

「ん~…微妙かなぁ?6組の栗栖くんもカッコイイしね」

「ミーハーな奴め」


沙南と いつものように話していたら、クラスの子達が寄ってきた。

「ねぇ、あかりちゃん達 さっき加納くんと話してたよね?」

「いーなぁ 何話してたの?」


驚いた。
本当に 人気だったんだ。


「えへへ~ いいでしょ」

沙南……栗栖くんはどうした…。

「あ、でも」

友達の1人が言った。

「そーいえば 加納くんって、前はもっと 明るい感じだったよね」

明るい加納緑。
うーん、想像できないな。

「ぷぷっ」

「あかり?」

『ヘイ ユー 元気かい?』と言う“明るい加納緑”を想像してわらってしまった。

「だって、明るいって。笑えちゃってさ」

私がそう言うと。


「なんか 彼女?が亡くなったらしいよ?」


「「えーっ!!」」



そっかぁ。
私と同じなんだね。


急に 加納緑に親近感を覚えた。

あの瞳にうつる影が見えた気がした。
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop