誠ノ桜 -桜の下で-



「武士なら潔く戦いなさいよ、臆病者」

「そう言う事。お相手願いまーす」

「戦わなくていいからさっさと死ね」

「駄目ですよ諒、戦って斬るんですから」


この四人が揃えば無敵、そして賑やか。

粛正する相手は以外に多い過激派約十五人。

一階と二階の二手に別れて刀を振るう。


「薫」

「あいさー!」


二階は九人、一階が六人。

凜は宮部と共に階段を駆け上がる。

しかしその階段の途中にも、階下の騒ぎを
聞き付けた輩が待ち伏せていた。


「でやぁぁああっ!!!!」


余程焦っているのか、男は全身隙だらけで
掛かってきた。

勿論凜は素早く刀を振って、男の腹を斬った。


階段を上ると既に戦う準備をしている志士が
凜達を待ち構えている。

凜は唇で弧を描き、飛び込んだ。


宮部も続いて斬り掛かった。


「く、くそ…水城 凜じゃ、勝ち目ねぇ…っ!!」

「腹なんて斬らせないわよ」



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