誠ノ桜 -桜の下で-



新作団子を食べながら考えてみるも、中々し
っくりくる名が浮かばない。

とそこへ、客がやってきた。


「何この人集り………」

「あぁ沖田さん!いらっしゃい」


その声と名に、凜はビクリと肩を揺らす。


「凜ちゃん来てるからよ」

「「…………」」

「え……何?」


凜と沖田が目が合って数秒、二人の間に沈黙
が流れていた。


「……そうだ、お将ちゃん。新作団子の名付け、
手伝ってもらったら?」

「え?あぁ、そうやね」


避けるようにして、凜は立ち上がった。


「ごめん、帰るね。また来る」

「うん、じゃあまた」


手を振って去って行く凜を、沖田は切なげに
見送るだけだった。


「お将ちゃん、あの子はよく来るの?」

「はい。友達ですし、よう来ます」

「そっか…………」












――…


…てやる…

こ……やる…



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