誠ノ桜 -桜の下で-
熱に浮されてるのか、ふにゃりと笑う。
沖田は本当にこんな感じで大丈夫なのかと心
配になってきた。
「……眠くない」
「眠くなくても、寝なきゃ駄目」
沖田に諭され剥(ムク)れるものの、凜は素直に
目を瞑った。
暫くすると規則正しい寝息が聞こえてくる。
沖田も寝ようかと布団に入る。
と、凜の手が沖田の裾を掴んだ。
「…お母様……」
ぽつり、と寝言を呟く。
その顔は、穏やかだ。
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