誠ノ桜 -桜の下で-
沖田の三段突きの速さを優に上回る程の速さ
で、凜は腹・背・首を確実に取ってくる。
ものすごい速さで、回り込むのだ。
しかも狙いが確実。
下手をすれば、近藤をも越える腕だ。
「…見事だった」
「ありがとう。じゃあ次、総司だっけ」
「はーい」
これも言うまでもなく、凜の圧勝。
凜が押される事すらない。
「んー、次はいけると思ったんだけどなぁ」
「総司は技が読める。……気がするから」
何だそれ、と滑る。
ふと、凜は宮部と打ち合いをしたくなった。
宮部とは中々、接戦になるから面白いのだ。
まぁ凜が勝つのだが。
……どうして一人で監視なのだろうか。
芹沢は一体何をしているのか。
凜の胸には、一筋の不安が過ぎった。