誠ノ桜 -桜の下で-
「芹沢 鴨及び芹沢一派の行動は、武士らしか
らぬ行動と受け取り、ここに処分を言い渡す」
そこまで読むと、近藤と土方の二人はごくり
と生唾を飲み込む。
「処分は近藤派、そして本邸の隊長 水城 凜
及び副隊長 宮部 薫と致す」
書状を元に戻して近藤に渡す。
「宮部君、と言ったかな?」
「はい、そうです」
「そうだな……」
近藤は何やら考え込むと、直ぐに閃いたとい
う顔になった。
「総隊長助手、なんてどうだろうか」
「助手!いいですね」
宮部はやっほうと喜ぶが、凜に「煩い」と言わ
れて大人しくなった。
「うむ、ではよろしく頼むぞ二人共!」
「「はい」」
局長室を出ると、直ぐに沖田に出会した。
「「あ…」」
凜は一歩後ずさって顔を赤くし、沖田はそれ
を見て赤くなって固まる。
「…………」
宮部は一人置いてきぼり感を胸に、不機嫌な
顔で凜と沖田を交互に見た。