誠ノ桜 -桜の下で-



「初めまして。元会津藩松平公直属部隊副隊長
で、現壬生浪士組総隊長助手の宮部 薫です。
よろしく」


三人はポカンと口を開けて固まった。

まだ理解出来ていないのだろうか。


「あぁ…えっと。俺は八番組組長の藤堂 平助。
薫…かな。よろしく!」

「俺は十番組組長原田 左之助だ。よろしくな」

「俺ぁ二番組組長永倉 新八。よろしく頼むぜ」


我に返った三人が自己紹介をすると、薫は
含み笑いを浮かべて口を開いた。


「いつも恋仲の凜が世話になってます」


瞬間、意味の違う『は?』の声が上がった。


「こっ……!?は、えぇ!?」

「まままままマジかよ!?」

「お前、恋仲いたのか」


原田と凜だけは冷静で、二人は明白(アカラサマ)に
あたふたしている。


「い………っ…!!」

「嘘言わないでよ」


凜は持っていた竹刀を宮部の背に振り降ろし
て制裁を下した。



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