誠ノ桜 -桜の下で-
それを聞いた凜は、もう一度視線を彼等に戻
した。
「あたしも一緒に逝く!!先生がいないと、何も
楽しくない!」
わんわんと泣き喚く梅を、芹沢は愛しそうに
見つめていた。
でも決して、抱き締めようとはしない。
「梅。最期まで、済まないな…」
「最期や何て言わんといてよ…」
芹沢暗殺の計画を梅に見られた今、梅も共に
斬らなければならなくなった。
また一つ、命を奪うのだ。
「…沖田。もう無駄な抵抗は止める。一思いに
逝かせてくれ」
「そちらのお嬢さん、あたしも一緒に斬ってく
れるんよね?」
沖田と凜は、それぞれの言葉に頷いた。
沖田は菊一文字を、凜は緋桜を抜刀する。
「芹沢さん。今まで、お世話になりました…。
本当に、ありがとうございました」
「…お梅さん。どうか芹沢さんと、いつまでも
共にいて下さい」