誠ノ桜 -桜の下で-
――…
翌日の朝、芹沢の亡骸(ナキガラ)が見つかった。
と、言うのは表向き。
長州藩の仕業に仕立て上げたのだ。
直ぐに芹沢一派の葬儀が行われる事になり、
凜も参加した。
「芹沢さん…苦手だったけど、いい人だったの
になぁ……」
「本当、残念だよ…なぁ、左之」
「あ?あぁ…そうだな」
いつも通り、三馬鹿が話す。
だが事情を知っている、協力した身としては
随分と話しづらい。
知らない者には、誰であろうと口外してはな
らないのだ。
「左之さん、何か変じゃない?」
「なーんか上の空、っつーか…」
「んな事ねぇよ。ほら、あの芹沢さんを斬る程
の手練れが長州にいるんだと思うと…なんつ
ーかな……」
「あぁー…確かに」
原田はごまかすのが上手いらしい。
いや、ひょっとしたら藤堂と永倉が単純で単
に馬鹿だからかもしれない。