GAME
わざわざ、席の前まで行ってあげてるのに


動こうとしない坂野を見て


無性に腹を立てた。


あたしは坂野の机に集めたノートを置き


こう言った。



「出さないなら、あたしが出してあげる」



坂野を椅子から落とし、カバンや机をあさり


ノートを見つける。


ノートはカバンの中にあった。


先生に出す前に、


ノートをチェックしてあげる優しいあたし。


なんだ、


きちんとやってるじゃん。


真面目だねぇ~。



「あるなら、さっさと出せよ」



強引にノートを奪い、あたしは教室を出ようと


扉を開けた。


丁度、その時


視界にゴミ箱が見えた。



一番上にある坂野のノートをピックアップして


真っ直ぐ


ゴミ箱に落とした。


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