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「そんな事ないと思います」



あたしは担任の目を


しっかり見て否定した。



「そもそも、あの二人接点ありませんよ?」



あたしが続けて言っていると、



「それもそうか」



と照れ臭そうに笑っていた。


そして、思い出したように



「あ、そうだ。
 HRの前に坂野の親御さんに電話したら
 帰ってるそうだ。
 渡辺、悪いんだけどカバンと課題、
 届けてやってくれないか?」



え?


あたしが?


届けるの?


…めんどくさっ。



そんな心のうちを隠すのが


あたしの特技。


あたしはにっこり微笑んで



「いいですよ」



そう答えた。


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