カキタレのナミダ
【テレビの中のヒーロー】
笑わせて。
笑わせて。
息もできないくらい。
もっと笑わせてほしいの。
わたしは子供のころからお笑い番組が大好きだった。
毎日毎日テレビの前にかじりついていた。
学校で嫌なことがあって帰ってきても、テレビの中の芸人さんが笑わせてくれたから、次の日も学校に行く元気をもらえた。
中学1年生のとき。
大好きなパパが突然事故で亡くなった。
わたしはお葬式のことをほとんど覚えていない。
わたしは悲しすぎて涙すら出なくて、そして喋れなくなってしまっていた。