カキタレのナミダ
喋らなくなって、学校にも行けなくて、わたしがぼんやりと部屋の片隅で座っているときに、ママがテレビをつけた。

テレビでは大好きなコント番組がやっていた。

わたしはそれの番組を見て、声を出して笑った。

一週間ぶりにわたしが声を出したので、ママとおばあちゃんは涙を流して喜んだ。

わたしは心を取り戻せた。

わたしはその番組が終わったあと、初めてパパの写真の前で号泣した。


その後も、わたしはいつも芸人さんたちに笑顔をもらっていた。

失恋したときも、受験勉強でつらいときも、テレビをつければ芸人さんたちが笑わせてくれた。


わたしを救ってくれたのはいつもお笑い芸人さんだった。

芸人さんはいつもテレビの中にいて、わたしを笑わせてくれるヒーローだった。


でもあの日から…。

あのバレンタインデーの日から、芸人さんはわたしにとってテレビの中だけの存在ではなくなった。


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