カキタレのナミダ
-カフェ-
わたしたちは近くのカフェに入って、お互いに自己紹介をする。
「うそ!19なの?」
3人とも大人っぽく見えるのに、わたしたちよりも1つ年下だと言うので驚いた。
「2人とも20歳なんだね。よし、問題なーし!」
わたしたちに声をかけてきた舞という子がリーダーのようで、積極的に話しかけてくる。
他の2人は話にはほとんど参加せずに、一心にメイク直しをしている。
「それで、芸人さんとコンパって言ってたけど…」
「今日コンパするから女の子5人揃えてって、若手に頼まれてるの。でもバレンタインだから友達なかなか集まらなくて困って、最終手段であそこで芸人好きそうな子を探していたの」
「出待ちしてたわけじゃないのね」
「うん。でも出待ちしてるのって未成年とブスばっかりなんだもん。2人がいなかったらどうしようと思ったわ」
綺麗にネイルアートされた指で、舞ちゃんはわたしたちを指差した。
「わたしたちでいいのかな…」
「いいに決まってるよ!可愛いしキレイだし!お姉さんたちみたいのコンサバ系は芸人も喜ぶと思うよ。わたしが連れて行くのはいつもチャラチャラした子ばかりだから」