EXIT~出口を探し求めて~
(なんでこんなに物が散乱してるの?
僕が家を出るときはなんともなかったのに…)
あまりにも変わり果てた自分の家に戸惑いを隠せない。
(一体何が起きてるの?)
わけがわからずなんで?どうして?と疑問が頭の中に渦を巻く。そこで、はっとする。
(母さんは?母さんは無事なの?どこにいるの?もし家にいるのなら僕が、母さんを助けなくちゃ)
震える自分の足を無理矢理動かして、散乱した物をなるべく避けながら家の中へと進んでいく。
慎重に進んでいると、お母さんの部屋の方から金属音が響いてきた。
キンッ
ガッ
ギチッ
(この音は…
剣?)
ゼロは音が聞こえる方へと近づいて行く。
中から声が聞こえた。
「お前のようなものにあれは渡さない!!」
母さんの怒気を孕んだ声にびくっと体が反応する。
(母さんの他に、誰かいるの…?)
「ならばお前を殺すだけだ」
「殺せばあれのある場所はわからなくてなるのに?」
あれって何?
なんの話をしているの?
「ふん。
お前さえ居なくなれば私の邪魔をするものは居なくなるだろう?
それからゆっくり探せばいい。
時間などいくらでもある。」