【短篇】しおり-AquaTimez-
ユカに手をひかれるまま歩いていると、ユカはつないでいる手と反対の左手に抱えていた、薄ピンクの包みに濃いめのピンクのリボンで結ばれた何かを、俺の自転車のカゴの中に入れた。

「これ、なに?」

俺が聞くと、

「もう!プレゼントはこれからなのにぃ!」

と、ユカはちょっとムスッとする。

「うん。さっきからずっと気になってた。ニコッ!」
「もう、せっかちだねぇー。」

そう言うと、

「ふぅー、じゃ今開けちゃお!」

と言い、カゴの中の包みを開けた。

「あっ、ヒマワリ!」
「そ。夏だからねー。」

包みの中には、鉢に入ったたくさんの花をつけたヒマワリがあった。

「…ありがとう!これ、ユカの店の?」
「うん!あたし、ヒマワリが大好きなんだぁー。だから、まーくんにあげたいな、って思って。(照)」
「嬉しいよ!すっごい嬉しい。」
「でも、これがホントのプレゼントじゃないんだぁー。これからだょッ!行こ?」

そう言ってユカはまた、俺の手をひき歩きだした。
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