【短篇】しおり-AquaTimez-

駅に到着した。と、同時に17時のﾁｬｲﾑがなった。いつもよりほんの少しだけ遅めだった。
電車が着いたばっかりで人は多かったが、二分半後にいつものように、ユカが人ごみの後ろの方から、小走りで駆け寄ってくる。

「お疲れ様！」
「(ﾌｩｰっ。)…ぉ疲れ様♪」

今日も俺のアパートに行くコトになり、スーパーで買い物をしてから俺のアパートに向かった。
夏の暑さもピークが過ぎ、そよ風や夕暮れも、段々と秋の匂いを感じさせていた。

アパートに着き、中に上がり、二人でテレビを観ながら少しくつろぐ。
ユカと付き合うようになってから、俺の隣にはいつもユカがいる。毎日駅で待ち合わせをし、俺の誕生日以降、お互いの家を行き来するコトも多くなった。ユカとずっと一緒に居たい…。
ユカの為に、毎日を頑張って過ごしている。ユカの為に仕事をもっと頑張ろう！

夕飯を食べ終わって、また二人でテレビを見ている時、俺はユカに言った。

「なぁ、ユカ。俺、今日ﾏﾈｰｼﾞｬｰに呼ばれてさ…。」
「なぁに？」

俺は、今日ﾏﾈｰｼﾞｬｰに言われたコトをユカに伝えた。