【短篇】しおり-AquaTimez-

二人の距離。

俺は次の日、ﾏﾈｰｼﾞｬｰの所に行き昨日の返事を告げた。

「ﾏﾈｰｼﾞｬｰ、俺、決めました！正社員になれるよーに頑張ります！」
「おぉ、そーか！じゃあこれから、ちょっと仕事も忙しくなるけど、一ヶ月か二ヶ月の間、個人の売上と時給のｱｯﾌﾟ次第で正社員になれるよーに頑張れよ！」
「ハイ！よろしくお願いします！」

そう言い、俺はﾏﾈｰｼﾞｬｰに頭を下げ、事務所を出て仕事についた。

俺に目標が出来た。今まで何もかも中途半端だった俺に、今、はっきりと目標が出来た。

それもこれも、全てはユカの為。


仕事をしていると、先輩の吉田さんが声をかけてきた。

「おぅ、マサキ！お前これから、正社員目指すんだってな？」
「あっ、ハイ！俺、正社員になれるよーに頑張るんで、よろしくお願いします！」
「おぅ！…お前なら、頑張り次第ですぐ正社員になれるな、って思ってさ、この間ﾏﾈｰｼﾞｬｰに言ったんだよ。余計なコト言ったかなぁ？って思ってたんだけど、お前がその気になってくれて良かったよ。頑張れな！」

吉田さんが、俺の最近の様子を見て、ﾏﾈｰｼﾞｬｰに言ってくれたようだ。
吉田さんは二十歳にバイトで入りもう４年経つが、一年半前、俺が入った頃すぐに、正社員になった。

「ありがとうございます！俺、頑張ります！」