【短篇】しおり-AquaTimez-
急いで駆け寄ってくる彼女に俺は、大きくイニシャルの『Y』を型どったゴールドのキーホルダーを渡した。
…ん?男からもらったもんかな?………だよなぁ、こんなにカワイイ娘に彼氏がいて当然か…。

「あーーっ!よかったぁ〜。ありがとうございますッ!」
「いやぁ、どういたしまして。…じゃ、俺は。」

男居るなら長居は無用…か。そう思い、俺は帰ろうとした。

「あのぉ〜…、なんかお礼させてください!」
「んっ?いーよ、気にしないで。」
「でも…」

下から見上げられたら、……やっぱカワイイな。

「ん〜じゃあ、お言葉に甘えて…。」
「大切なモノ見つけてもらったんで、ご飯かお茶でも…」

俺はニコッっと笑って、

「じゃあ、お茶でいいよ!」

そう言って、同時に二人は歩き出した。
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