【短篇】しおり-AquaTimez-
『………。』
「…!?」
部屋の呼び鈴を押したが、反応はなかった。
…嫌な予感が、胸をよぎった……。
もしかしたら……。
俺は、何度も何度もボタンを押した。
すると、下の方で大家らしきおばちゃんが掃き掃除をしてたので、俺は階段を駆け降りておばちゃんに聞いた。
「…あっ、あのっ…!202号室って……。」
おばちゃんはビックリしたようだったけど、俺にこう言った。
「?…あぁ!あの娘ね。引越したよ、昨日ね。なんでも、急に実家に帰るとかでさー。アメリカ行くとかって言ってたっけねー。あの娘いっつもちゃんと挨拶してくれていい娘だったのにねー!
あたしも寂し………。」
ユカがもう居ない!?
俺は、おばちゃんの話を途中で聞くコトを辞め、気がつくとフラフラとアパートを出て歩いていた…。