【短篇】しおり-AquaTimez-
ユカの居ない時間。
あれから何日ぐらい経っただろうか？





俺は、正式に正社員になったなったものの、いまひとつ仕事に身が入らなかった。
ただ、ミスをするコトなく、そつなく仕事をこなしていた自分が、なんだかすごく虚しかった…。



ある日、仕事をしていると、ユカの居た花屋のあの店員さんが、車でウチのスタンドに来た。

「あっ…！い、いらっしゃいませ…。あっ、…あの！どーしてこっちの方に…？」
「…うん。前に、ユカちゃんがこっちの方のスタンドにいる、って話してたからさ。……その顔は、ん〜〜っ……彼女には、…会えなかったんだね…？」

言葉に詰まった…。そんな俺を察するかのよーに、店員さんは、

「…洗車、お願いするょ！」
「あっ！ハ、ハイっ…！ありがとうございます。」

俺は、店員さんの車を洗車しながら、店員さんと話をした。
話をすると、その店員さんはあの花屋の『店長』だったらしい。

そして、店長さんは言った。

「そっかぁー。もう引越してて、会えなかったんだね…。
実家に帰るっては言ってたけど、すぐ帰るなんて思わなかったなぁー…。」

俺は、すぐに店長さんに聞いた。
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表紙・目次

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