【短篇】しおり-AquaTimez-
正社員を目指したあの時は、ユカと一緒に暮らせる、そー思ったのになぁ。


『約束』を守る為に、俺は未来(さき)のコトばっか考えてた…。
何もかもが、幸せだったはずなのに、幸せな『今』を一生懸命生きようとしてるうちに、『今』が遠ざかっていたコトを、今考えればわかるのに、あの時は全然気付くコトができなかった…。

ユカが去っていってから、俺はユカにヒドいコトをしてしまったんだと、すごく後悔をした。
ユカの気持ちを考えれば考える程、心が痛かった。


俺が本当にしてあげないといけなかったのは、ユカの為に仕事をするコトより、ユカの傍にずっと居てあげるコトだった。

…ユカには、勘違いもさせてしまった。ユカが俺に内緒でスタンドに来た時に、エリカと一緒に仕事をしている所を見て、ユカは勘違いをしてしまった。
確かに、ユカの言っていたように、エリカは俺に告白をしてきた。
だけど、エリカは今、吉田さんと付き合っている。
幸せな二人を見ていると、俺はすごく安心をするんだ。



これでよかった。全てが、これでよかったんじゃないかな、俺はそう思った…。

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表紙・目次

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