バンドに賭けた思い(仮)
side雷斗
昼休みに入り俺はある奴を探した
『なぁ…蒼羅どこ?』
近くにいた燐に聞いた
(燐は俺達の幼馴染み)
「ん〜…蒼羅は『空がみえるところに行ってくる』って言ってたよ」
『ダジャレか?寒いぞ…』
「私が言ってたんじゃないし!!!」
「まだ見つかんないの?」
と後から来た亮が口を尖らせながら言った
『あぁ…ってお前らも探せよ!!!』
「…面倒くさい」
「…ねみぃ」
本を読んでいる理人と今にも寝そうな薫に怒鳴る
「何々〜みんなして蒼羅に用事?」
俺達に興味をもった燐が聞いてくる
うぜぇ…
『話は後だ。行くぞ』
ぶつぶつと文句を言う奴等を連れて俺は屋上に向かった
「で?何の用事」
『あぁ…これだよこれ』
と言って俺は後からついてくる燐に一枚の紙を渡した
「ん〜…『バンド選手権』って雷斗達がでるやつじゃん。それと蒼羅とどういう関係があるの?」
『あいつをボーカルに入れる』
「はぁ!?蒼羅の歌声も聞いたこと無いのに?」
『つい最近までラジオで引っ張りだこだった奴がいただろ?』
「それって[SORA]の事?最近出ないよねぇ〜」
『そいつがきっと蒼羅だ』
「まっさか〜だって素性が分からない歌姫だよ?」
『あいつの声昨日聞いたときからずっと引っ掛かってたんだよ』
「だからって確証がないのに…」
『いや…絶対あいつだ』
まだ何か言いたそうにしている燐をほっといて屋上に向かう俺に
「どこから出るんだ?あの確信は」
「さぁ…」
「ねみぃ…」
と呑気に話す三人だった