バンドに賭けた思い(仮)
side蒼羅
昼休みになって私は急いでiPodを持った
「あれ?蒼羅どこいくの?」
『ん〜空がみえるところに行ってくるね』
「空…屋上のこと?」
『うん!じゃあね』
「ん〜行ってらっしゃい」
そう言って燐と別れて屋上に向かった
……――――
…――――
『ん〜っ…やっぱり屋上はいいなぁ』
そんなことを思いながら私はiPodの電源を入れある曲を流した
[大切な人へ]
私は思いの限り曲に合わせて歌い始めた
[ずっと側にいると想っていた
叶うことのない想いなのにね…貴方が居なくなってから大切だと気づくなんて…現実は残酷だね…♪〜]
私はこの曲を何度も流して何度も歌った
どれぐらい歌ったかわからなくなったころチャイムがなった
『…こんな事しても意味ないのにね』
どうしても忘れることが出来ない曲
忘れなきゃいけないのに…
忘れなきゃ前に進めないのに…
どうしても出来ない…
あの時から止まっている私の時間…
『さ…戻ろう…』
そう思って後ろを振り向くと見覚えのある五人が立っていた
『え…何でここに…』
「あ…っとお前に話があって…」
私の顔をみて驚きながら話す雷斗
『そうなんだ…で何の話?』
「これなんだけど…」
『…『バンド選手権』?』
「お…俺達それにでるんだ!雷斗がギターで薫がドラム、理人がキーボードで俺がベー…「…何で泣いてんの?」
あっ…理人!!!」
『私…泣いてないよ』
「泣いてる」
『やだなぁ…泣いてないって…あ!もう教室に戻らなきゃねっ急ごう!!!』
「あっ…おい!蒼羅」
雷斗の呼び掛けに答えず私は屋上から走って去った
……――――
…―――
「蒼羅…」
悲しそうに屋上の扉を見つめる燐
「燐…お前何か知ってんだろ」
「そうなの!?」
「…私からはいえないよ…直接本人に聞いた方がいいよ」
そう言って燐は屋上を後にした
「本人に…か…」
雷斗の言葉は悲しく消えていった