バンドに賭けた思い(仮)
『練習もしないで真剣にやってる人達を馬鹿にしないでよっ…この人達のバンドはあなた達のバンドより凄いんだから!!!』
「はぁ!?ボーカルもいないバンドが俺達のバンドより凄いわけないだ…『ボーカルならいる…』
「は…」
決めた…こんな人達に馬鹿にされたくない…だから…
『私が…私がこのバンドのボーカルだから』
だから…私は歌う…
「蒼羅!!!」
『練習するので出てって下さい』
「ふっ…ふん!!!」
そんな事を言って出ていった
……――――
…――――
軽音部の部室に静けさが戻った
「蒼羅…?」
心配そうに尋ねる亮くんの声に緊張の糸が切れその場に座り込んだ
「蒼羅!?」
『びっくりした…』
「いや…こっちのセリフだから…」
雷斗君の声に頷く三人
『だって…あんなこと言うんだもん…』
「それより…本気か?」
『へ…?』
「いや…だからボーカル」
『あ!?そうだった…』
「まぁ…言っちゃったもんはしょうがないな」
『え…』
「よろしくね!蒼羅♪」
『うそーっ!!!』
そうして私は受けるつもりがなかったボーカルを受けてしまった…―