茜の空



ヤバいかもしんない。ってかヤバいよ!!
どこかで一線引かないと私立場ない…(笑)。



だからちょうどテスト期間に入った
ことを理由に、私は図書館に行くのを
やめた。



霧島くんもそのことには触れてこない。



“おはよう” と “サヨナラ” の
挨拶だけの日々が何日か続いた。



テスト期間中は下校が早いため、
廊下もガランとしている。



静まり返った校内を歩いていると、
階段に差しかかったところで背後から
他の先生に呼ばれ、しばらく話を
していた。



明日の一限目の教室の変更の話だった。



変更の紙を確認しながら階段を降りて
いると、下から走りながら上ってくる
霧島くんの姿が見えた。



先に向こうから
『友香ちゃんサヨナラ!』と挨拶するから。



『あ、うん。サヨナラ。』と答える。



チラッと彼を見てそのまま階段を
降りようとした時。



ガクッと足を踏み外し、体勢を崩す。



『ひゃっ…!!』















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