茜の空
8. 奇跡のデート
………うまく誤魔化せてるよね?
なるべく意識しないフリ。
でも、つい視線を向けてしまう
そしたら向こうも絶対見てる。
ダメだよ。わかってるよね?
自然と目をそらしてくれるけど、
これで何度目だろうね。
私たちは何度だって絡んでしまう。
一番右側後ろの席。
視線の先にはいつも、霧島 準くん。
君はまた、私を翻弄させてしまうの?
また私は、一瞬でも自分を見失うのかな。
わかっていながらそれでも、
また私は、君に触れてしまうのかな。
知らないうちに、染められてくのかな。