茜の空
約束の土曜日。
“迎えに行く”と豪語する霧島くんに
家の近くの公園で待ち合わせすることにした。
歩いて1、2分ってとこだから
渋々OKしてくれたけど、意外とマメなのね…。
バイクってことでスキニーデニムに
フリルのチュニックで行くことにした。
公園に付いたらすでに霧島くんはベンチに座ってる。早っ!!
制服ではない、普段の霧島くん。
カーゴパンツに黒いTシャツ。
たったそれだけで、サマになってるって上級者だよね。
部活してないのに、結構筋肉質だし…
って私どこ見てんだ!?
私に気付いて立ち上がり、クシャッて笑われたらもう魔法にかかってるんだろうな、私。
『ハイ!』って手渡されたヘルメット。
『すご~い、大きいね。』
青の大型バイク。
『車よりバイクの方が早いし、万が一誰かに見つかりそうになっても、ヘルメットかぶってりゃ誤魔化しはきくでしょ!?』