茜の空



知ってる?



そうやって可愛く懇願するところ、
君ならではのズルさなんだよ。



『…仕方ないなぁ』なんて、
可愛げなく言ってしまうのは、年上
ならではの照れ隠し。



バックを持ち替えて私は君の要望に
応えてしまった。



手を繋ぐという合図を受け入れて
しまったんだ。



今日だけは特別。と、都合のいいように自分を言い聞かせて…。



次第に2人の手は気付けば恋人つなぎ。
より密着してる。



途中で食べたアイスクリームだって、
自然に食べ合いっこしてる。



『ホンットこういうの久しぶり~!!テンション上がってきたぁ~!!』



って、私いつの間にか君よりはしゃいでる。



グイグイ君の手を引っ張ってアトラクションを回ってんの。



『友香、ちょっと待って。やっぱ俺、遊園地向いてないわ。ハハハ。』



名前も自然と呼び捨てになっちゃったりなんかしてさ。



ドキドキ隠すの大変だっつーの。










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